ファシリティソリューション

―ファシリティマネジメントの仕組みづくりと運用をお手伝いしますー
ファシリティとは

経営を支える資源には、①人材(ヒト)、➁資金(カネ)、➂情報、④物的資源(モノ)の4つがあります。「ファシリティ」とは、④の物的資源(モノ)のことを意味し、企業や組織が保有する施設や建物、設備などがここに含まれます。
ファシリティとは
ファシリティマネジメントとは
公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)では、
「企業・団体等が保有又は使用する全施設資産及びそれらの利用環境を経営戦略的視点から総合的かつ統括的に企画、管理、活用する経営活動」と定義しています。

わたしたちは、建物を取り巻く様々な環境を横断的、統括的、中長期的に捉え、建物ができるだけ長期にわたって健全な状態を保持し、最小のコストで最大のパフォーマンスを発揮し続け、経営資産としての価値を持ち続けるための様々な活動であるととらえています。 

例えば… 
従来のビル管理では>不具合の生じている設備や建物に対し、修繕を実施
ファシリティマネジメントでは>すべての機器や建物の現況を把握し、予防保全的視点を視野に置きながら、修繕のタイミングを決定します。
従来のビル管理では>建物や機器の機能的劣化に対して対処
ファシリティマネジメントでは>建物や機器の機能的劣化だけでなく、社会的劣化を含め、経営戦略的な視点を含めて最善策を検討します。
何のためのファシリティマネジメントか? FMによって期待される効果とは
何のためのファシリティマネジメント

何のためのファシリティマネジメントか

  • 竣工後、長期にわたり良好な状態で使用し続けるため
  • 社会・経済情勢の変化、生活スタイルの変化に対応し、建物の存在価値を高めるため
  • 建物の運営、維持保全コストの最小化と平準化を図り、経営に寄与するため
  • 地球環境問題を意識し、持続可能な社会の実現に寄与するため


ファシリティマネジメントによって期待される効果は

こんな取り組みで

  • ライフサイクルコストの低減化・平準化
  • 保全に関する考え方の構築(予防基準、修繕周期の設定)
  • 建物情報の現時点管理(現況把握、劣化診断)
  • 建物情報の一元管理化
こんな効果を創出します
ファシリティマネジメント
ファシリティマネジメントの実践のために ~PDCAサイクル~
建物は、そのライフステージによって、また、経済情勢の変化、社会的ニーズの変化や科学技術の進展などによって、対応すべきことがらは常に変化しています。
そのため、ファシリティマネジメントを実践するにあたっては、PDCAサイクルを継続的に回すことが必要とされます。

ファシリティマネジメント
仕組みづくり
建物に関わる情報の一元管理化、判断基準の統一化を図ることにより、属人的、一時的な対応を回避し、多角的視点・長期的視点に基づいたファシリティマネジメントの実現に寄与します。

1.建物情報の一元管理化支援ツールの構築
建物に関わる様々な情報を、いつでも誰でも容易に最新の情報を取得することができるよう、データベースをはじめとした各種支援ツールを構築します。

例えばこのようなシステムを提供しています。

仕組みづくり

2.建物保全に関する基本的考え方の検討および共有化
中長期計画上、予定されている修繕(更新)について、実際に実行に移す時期をどのように判断するのか。その判断基準や工事の方針などについて、統一した考え方や方針をあらかじめ設定しておきます。

例えば、このような保全方針です。
 ・主要設備のそれぞれについて、改修方針の策定
   例:更新or オーバーホール/劣化診断の実施周期および判定基準/状態監視の判断基準
 ・主要設備のそれぞれについて、保全基準の設定
   例:時間的経過による予防保全 or 状態監視による事後保全 など

3.更新(修繕)周期およびローリングパターンの設定
更新のタイミングの判断基準として、法定耐用年数、機能的劣化、社会的劣化などがあります。建物の使用目的や財務状況など多角的な視点から総合的に判断し、設備ごとに基本となる更新(修繕)周期を設定します。
さらに、実際の施工の現実性にも配慮し、設定した周期にどのような幅を設定することができるかについても、あわせて検討し、設定します。

 例えば
  更新周期を20年とした空調機が100台ある場合:15~20年の間で実施 or 20~25年の間で実施 or 18~22年の間で実施 など
運用
ファシリティマネジメントのPDCAサイクルの各フェーズにおいて、私たちは、このようなお手伝いをしています。

1.修繕計画の作成および現時点管理(実績反映と後年ローリング)
  • 単年度修繕計画の作成
  • 中期修繕計画の作成
  • 長期修繕計画の作成
  • 修繕実績の管理
  • 改修方針の検討および調整
中長期修繕計画の策定と運用サイクル


2.修繕計画の遂行支援
  • リニューアル計画の立案
  • 発注仕様書、入札仕様書の作成
  • 実施設計および監理、テナント対応
  • PM
設計・施工 ≫

3.エネルギーデータ分析と省エネ・地球温暖化対策提案
  • エネルギー使用量報告資料作成(国・都道府県報告対応)
  • 次年度予算検討資料作成
  • 省エネ対策提案(投資的提案および運用提案)
  • エコチューニングによる改善提案、グリーンリース活用による投資提案
エネルギーソリューション ≫

4.テナント及び区分所有者対応
  • 入退去に関わる法規的および技術的検証
  • 区分所有者説明資料および請求金額算定
Q 中長期修繕計画は作成したが、活用できていない。

A1中長期修繕計画は、目的に応じて作成する必要があります。
中長期修繕計画は、目的に応じて作成する必要があります。「中長期的に必要となる費用を把握したい」「複数の建物を横断的にみた投資計画を検討する資料としたい」といった場合には、概算費用にて、建物の寿命までの長期計画を短期間にて作成することが求められます。
一方、「具体的な修繕実施のための実行計画としたい」といった場合には、実際の工事の単位や修繕を実行に移すタイミング(予防保全か事後保全)までを表現することが求められます。

中長期的な修繕費用を把握するための中長期修繕計画(LCC計画)と、実行計画とでは、このような相違があります。

中長期修繕計画は作成したが
A2建物の劣化調査や不具合情報のみに着目した計画ではありませんか。
後年にも活用し続けることのできる中長期修繕計画とするためには、まず建物の寿命までになんらかの修繕や更新を必要とするすべての部分に対して、「いつ何を行うか」を想定した中長期計画を作成します。その上で、劣化箇所や不具合箇所への対応については、修繕項目の追加もしくは後年予算の前倒しと考えます。
A3中長期計画は、作成した時点から古くなっていきます。
設備の不意な故障と応急対応、それに伴う後年への影響、テナントの入退去やテナントからのニーズ、法改正を含めた社会情勢の変化、経営状況の変化、工事費の変動、新技術の開発といった諸条件を集約し、定期的に見直しを行っていくことが大切です。
建物の寿命までを想定して作成された中長期修繕計画をベースとし、毎年1回、次年度の実行計画の作成と、それに合わせた長期計画の見直し(ローリング)業務のフローをご紹介します。

中長期修繕計画は作成した
Q 修繕履歴がきちんと蓄積されていない。

A1修繕履歴はファシリティマネジメントにとって「宝の山」です。
例えばこのようなことを分析することで
  ◆故障や不具合の発生記録(傾向分析) → 修繕・更新の周期設定の参考に
  ◆発注実績金額  → 発注時期、業者間、建物間の比較により、予算金額の妥当性の検証に
  ◆修繕・更新の実施記録 → 長期計画上、実施・未実施の識別/次回実施時期(周期)の設定に

修繕履歴がきちんと蓄積されていない。

こんなことに役立ちます
  ◆投資の平準化
  ◆予防保全マネジメントの推進(予防保全か事後保全か)
  ◆中長期修繕計画の精度向上(周期や単価の設定)
  ◆修繕提案のエビデンス

A2修繕履歴が全く残されていないという建物は少ないでしょう。
発注の契約書、設備メンテナンス受託者の日報など、設備管理者、オーナー、それぞれの立場で必要な情報が残されているのではないでしょうか。
このように、それぞれの立場で、異なる目的のためにストックされている情報でも、互いに共有化することで、現在の何倍も活用することが可能です。

例えばこんなことが改善されます
◆必要なデータの抽出が容易(書類の束から探す→PC上で確認)
◆情報を串刺しで比較できる(記載方法や内容が様々 → 統一された情報でストック)
◆故障の傾向を分析することができる(PDCAサイクルで活用)
◆実施漏れの管理が容易
◆それぞれの立場の人が、同じデータを閲覧することができる(属人的な情報 → 共有化された情報)